におい認識テスト

テストの目的

ノーズワークの公式競技会に参加するためには、におい認識テストに合格している必要があります。いわばノーズワーク競技会への「ライセンス」と思えばいいでしょう。このテストの目的は以下のように要約されます。
※2025.1.1より テストの目的が変わります。 
詳細はこちら2025年以降のにおい認識テストに関する変更(ペアID廃止と目的の変更)のお知らせ

  • 犬が探すべき「におい」を認識しているかを確認する
  • 犬がいつ「におい」を発見したかをハンドラーが判断できるかを確認する

テストはペア(犬とそのハンドラー)に対してのみ有効であり、合格した場合犬の存命中は一生有効です。受験したハンドラーと犬のペアに対して「ペアID」が発行されます。

合格したペアにはにおい認識テスト合格証書が授与され、ノーズワーク競技会への参加権が与えられます

におい認識テストはJNWSCのルールに基づき各地でJNWSC公認インストラクターによって開催されています。

テストについて

におい認識テストに合格するためには、3分以内に正解を発見する必要があります。
ペアは制限時間3分間の中で、正解を見つける為にコンテナの列を何往復しても構いません。
また、サーチ時間内に何度でもコンテナを犬に指し示しても構いません。
ハンドラーは犬が正解のコンテナを探し当てたと判断したら「アラート」と言います。
ハンドラーが「アラート」と言った時、ストップウォッチが止められます。
ジャッジはそれが正解か間違いかを伝えます。

ジャッジから「どこですか?」と質問された場合、ハンドラーは犬がどのコンテナを示したかを指し示す必要があります。
ハンドラーが「アラート」といった時、犬が正解のコンテナの場所にいなければなりません。
補足:ジャッジから質問があった後に、再度、犬にサーチをさせることはできません。

ターゲット臭について

におい認識テストでは、3分以内に12個の箱の中から1つの正解の箱を発見することが求められます。
テストは3つの難易度に分かれており、クラスに合わせてターゲット臭が異なります。

  • NW1(初級) ローリエ(ローレル)
  • NW2(中級) ユーカリ(グロブルス)
  • NW3(上級) ヒノキ(木部・幹)

日本とスウェーデンではにおいが違う?

スウェーデンではNW1(初級)ターゲット臭がユーカリで、NW2(中級)ターゲット臭がローリエです。
順番を入れ替えた理由ですが、日本の場合ローリエの方が日常的に使用されている頻度が低いからです。

スウェーデンではフィラリアを媒介する蚊がおらず、虫よけにユーカリの香りは使用されません。
しかし、日本ではユーカリが虫除けスプレーや犬用シャンプーによく使用されています。
スウェーデンノーズワーククラブの重鎮でいらっしゃるロッタ・バウアーさんも、においの順番の入れ替えについては全く問題ないとのことです。
また、ローリエとユーカリ(グロブルス)に関しては『フランス産』と『国産』両方のメーカーを採用することにしました。(国産ローリエ:今回芳香蒸留水決定のために、約1ヶ月間、検証に参加した約15頭の犬のほとんどがこれまでと同様に探すことが出来ました。)

NW3ヒノキを採用した理由

ラベンダーは日常的に好んでフレグランスとして使っている人が多い印象です。
芳香蒸留水の検証にご協力頂いた15名についても、日常的に使っている香りのアンケート結果 、
【ラベンダー2名、ヒノキ1名、ユーカリ1名、ローリエ0名】でした。

一方、アドバイザーの藤田さんから、「ヒノキは『ジャパニーズヒノキ』という名前で、一つの独立した香りとして海外でも認知されている日本独自の香りであることや、日本のクラブオリジナルのにおいの採用があっても良いのでは?」という意見や、「蒸留水の入手しやすさが重要」とのアドバイスを頂きました。
ヒノキ芳香蒸留水の検証に先立ち、獣医師による安全性の確認とヒノキアレルギーの人の芳香蒸留水への反応に問題がないことを確認し、実際の検証結果から、ヒノキは初心者の犬からシニアの犬まで探すのに問題がないことが判明しました。
(但し、ヒノキの香りを日常使いしている犬のみヒノキのにおいに無反応であったことから、 ターゲット臭は日常的に使用しないのが良いという結果も得られました。)

ターゲット臭の取り扱いについて


ノーズワークスポーツを行う上で「ターゲット臭」の取り扱いの際に守るべき事項がありますので、インストラクターから、取り扱い方を学んでから購入することを推奨します。

■関連リンク
ノーズワーク ・サーチエリアの「汚染」について注意すべきこと

JNWSCで使用しているターゲット臭メーカー(芳香蒸留水)

ローリエ(ローレル)とユーカリ・グロブルス

ヒノキ

誘惑臭について

NW2(中級)からは、正解以外の箱の中に誘惑臭が含まれています。

以下の物は、誘惑臭として使用可能です。

誘惑臭リスト
  • 松の実の洗剤
  • ココナッツオイル
  • オリーブオイル
  • クミン(粉末)
  • コーヒー(粉末・インスタントOK)
  • 表面を焼いた桐の木片

*約2×2cmの桐の木片の全ての表面が黒くなるまでバーナー等で炙る。

誘惑臭の作り方

上記の物質を家具の傷防止フェルトまたは綿棒(キャリア)につける。
液状のものを誘惑臭として使う時は、キャリアに1〜2滴(ターゲット臭と同じ量)を垂らす。
粉末のものを誘惑臭として使う場合、フェルトあるいは綿棒をその物質と一緒に瓶に入れて直接においを移す。
木片の場合はキャリアを使わず、木片そのものを誘惑臭として使う。

誘惑臭をつけたにおいキャリアは、ネガティブのにおいホルダーに入れること。フェルトを使う場合は、コンテナの内側に貼り付けておく。

におい認識テストで使用されるコンテナ

におい認識テストで使用されるコンテナは、30cm × 20cm  × 10cmの段ボール素材でできた未使用の箱を使用します。ただし、5cm以内の誤差は許容範囲です。
コンテナの並べ方は、1列で12個または2列で6個ずつの配置となります。

テストを受ける前に

認識テストを受けるには、細かいルールを熟知する必要があります。
JNWSCでは公式ルールブックを作り、ルールブックに沿ってテストを実施しています。
必ず公式ルールブックをご確認の上、テストにお申し込みください。
テストにお申し込みいただいた場合は、ルールブック内すべての内容にご承諾いただいたとみなします。