犬と人がノーズワーク(嗅覚ゲーム)を楽しむには、犬がターゲット臭を探し当てたかどうかを人がわかるようでなくてはなりません。ここがフードサーチと異なるところです。フードサーチは犬が探し出し食べてしまえばそこでゲームは完了。一方でターゲット臭を使うゲームになると、人も試されることになります。つまり、犬は「探し出すこと」を、人は「犬を読むこと」が求められます。両者が積極的に参加できるゲームだからこそチーム一体となってハラハラ・ドキドキと楽しく時を過ごせます。
たとえばブラインドサーチ(ハンドラーは隠し場所を知らない)をやっていて
「今、犬が探し当てたかな?」
と思った瞬間に
「見つけました!」とか「アラート!」
と審査員に告げます。次の瞬間「当たっていますよ」と言われたときの嬉しさと安堵感!一方で「違います」と言われたときのがっかり感!間違った時は「どうして犬を読み間違えたかな…??」といろいろ反省します。だからこそ次こそもっと上手に犬を読むぞと、学びが得られるのです。
においを見つけた時の動きは犬それぞれ!
においを見つけた際の動作は犬によって千差万別です。これ!という決まった動作はありません。それこそ犬の個性や経験が現れるときです。
ただしプロの探知犬の多くは見つけた時に特別な行動を見せるようトレーニングを受けています。たとえば、ある犬はみつけたところでさっと座ったり伏せたりします。またある犬はフリーズをします。これは見つけた瞬間に体の動きを止め、凍ったようにその場に留まる動作です。これら行動のことを「トレーニングされたインディケーション(あるいはトレーニングされたアラート)」と言います。ですが通常は単にインディケーションと呼んでいます。
プロではなくとも、飼い主さんとノーズワークを楽しむ犬でもインディケーションのトレーニングを受けている子は珍しくありません。スウェーデンのノーズワークの世界では「フリーズ」がインディケーションの行動として一番多いタイプかもしません。我が家のラッコも臭源のところで凍ったように止まりにおいの場所を教えてくれます。
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