におい認識テストと競技会ルール
参加するにあたってのマナーと心構え
ノーズワークスポーツに関わる全ての人や犬にとって安心安全かつ公平なイベントの開催うために、以下の点について、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
- 使用する場所のルールに従い、屋外では必ずリードをつけモラルを持った行動を心がけること。
- 犬の排泄は必ず決められた場所で行い、指定以外の場所での粗相はさせないこと。
- 会場内で犬同士を接触させないこと。
- ルールも含めて競技について正しく理解した上で競技会に参加すること。
- 犬の吠え声や人同士の雑談等によって他の参加者に影響を与えたり、周囲に迷惑をかけないこと。
- ジャッジ、主催者、競技会場、ボランティアスタッフ、スポンサー等、競技会関係者について批判しないこと。
- 見学者も含めた会場内にいる全員がルールを守り、主催者及びジャッジの判断を尊重し指示を守ること。
におい認識テストについて
公式競技会に参加するためには、該当するクラスの「におい認識テスト」に合格している必要があります。テストは犬が探すべき「におい」を認識しているかを確認する目的で行われます。また、犬がいつ「におい」を発見したかをハンドラーが判断できるかを確認する目的でも行われます。
受験したハンドラーと犬のペアに対して「ペアID」が発行されます。(犬の存命中は有効です。)
家族や他の人が同じ犬で競技会に参加を希望する場合は、そのペアで再びテストを受ける必要があります。
合格したペアにはディプロマ(合格証書)が授与され、競技会への参加権も獲得できます。
におい認識テストでは、3分以内に12個の箱の中から1つの正解の箱を発見することが求められます。
正解の箱にはターゲット臭である芳香蒸留水のにおいが入っています。
認識テストに使用される芳香蒸留水は以下の通りです。
- NW1(初級)・・・ローリエ
- NW2(中級)・・・ユーカリ
- NW3(上級)・・・ヒノキ(木部・幹)
コンテナ
におい認識テストで使用されるコンテナは、30cm × 20cm × 10cmの段ボール素材でできた未使用の箱を使用します。
ただし、5cm以内の誤差は許容範囲です。
コンテナの並べ方は、1列で12個または2列で6個ずつの配置となります。
誘惑臭
NW2とNW3のにおい認識テストでは、2種類以上の異なる誘惑臭が存在します。正解以外のコンテナの6個以上に誘惑臭が個々に入っている状態で配置されます。
誘惑臭について
計時
におい認識テストに合格するためには、3分以内に正解を発見する必要があります。犬かハンドラーがスタートラインを超えた時、またはジャッジがスタートと告げた時に計時が始まります。
タイムキーパーは制限時間が残り30秒となった時にハンドラーに「30秒前」と伝えます。
実施方法
ペアは制限時間3分間の中で、正解を見つける為にコンテナの列を何往復しても構いません。また、サーチ時間内に何度でもコンテナを犬に指し示しても構いません。
ハンドラーは犬が正解のコンテナを探し当てたと判断したら「アラート」と言います。
ハンドラーが「アラート」と言った時、ストップウォッチが止められます。
ジャッジはそれが正解か間違いかを伝えます。
ジャッジから「どこですか?」と質問された場合、ハンドラーは犬がどのコンテナを示したかを指し示す必要があります。
ハンドラーが「アラート」といった時、犬が正解のコンテナの場所にいなければなりません。
補足:ジャッジから質問があった後に、再度、犬にサーチをさせることはできません。
結果
ジャッジが正解と判断した時点で、そのペアは合格となります。ジャッジが正解の判断をした後の犬のフォルト行動は、テストの結果に影響しません。
報酬
ハンドラーは、テスト中に犬に報酬を与えることができます。ただし、報酬を地面に落とす等により場所を汚染しないこと。
不合格
- 以下の場合は、不合格となります。
- 犬が正解のコンテナの所にいない状態でハンドラーがアラートと言った場合
- アラートと言った後にハンドラーが間違ったコンテナを指し示した場合
- 犬がにおいを感じている兆候を見せず、ハンドラーが推測でアラートと言った場合
- 犬がテスト中に排泄をした場合
- ハンドラーがテスト中に意図的にコンテナに触れた場合
- 犬がテスト中に意図的にコンテナを破損させた場合
コンテナを噛んだり、激しく引っ掻いたり、破いたりした場合は不合格となります。
上記はルールの要約です。におい認識テストの正確な内容は ルールブックをご確認ください。
におい認識テストを開催する主催者は「におい認識テスト申請フォーム」から開催申請が可能です。
申請の前に「JNWSCについて 主催者限定入会案内」のページより会員登録を行う必要があります。
現時点では、会員以外の方もにおい認識テストを受験すること、及び合否結果のクラブ管理登録が可能です。
一般会員募集は、コロナが収束し公式競技会の開催の目処がたってからを予定しています。
におい認識テストの受験者条件と主催者条件
主催者条件について→におい認識テスト主催者の条件と開催手順を教えて下さい。受験者条件について→におい認識テストを受験したいのですが?
ノーズワーク競技会について
ノーズワークスポーツクラブ(JNWSC)のルールでは、芳香蒸留水を探すべきにおい(ターゲット臭) として採用しています。エリア内に隠されたターゲット臭のことを「ハイド」と言い、競技会ではエリア内に存在する全てのハイドを制限時間内に、いかにフォルト(減点行為)をせず早く発見できるかを競います。
ノーズワークは難易度が異なる3つの競技クラスがあり、NW1(初級)、NW2(中級)、NW3(上級)に分かれています。
そして、以下の4つの課目で構成されているのが特徴です。
各クラスで3枚のディプロマを集めると、上のクラスに昇格できます。
ターゲット臭について
ノーズワークスポーツクラブ(JNWSC)で使用する芳香蒸留水は
NW1(初級)・・・ローリエ
NW2(中級)・・・ユーカリ(グロブルス)
NW3(上級)・・・ヒノキ(木部・幹)となります。
NW1ローリエ・NW2ユーカリという様に、スウェーデンとは順番を入れ替えた理由ですが、日本の場合ローリエの方が日常的に使用されている頻度が低いからです。
スウェーデンではフィラリアを媒介する蚊がおらず、虫よけにユーカリの香りは使用されません。
しかし、日本ではユーカリが虫除けスプレーや犬用シャンプーによく使用されています。
スウェーデンノーズワーククラブの重鎮でいらっしゃるロッタ・バウアーさんも、においの順番の入れ替えについては全く問題ないとのことです。
また、ローリエとユーカリ(グロブルス)に関しては『フランス産』と『国産』両方のメーカーを採用することにしました。
(国産ローリエ:今回芳香蒸留水決定のために、約1ヶ月間、検証に参加した約15頭の犬のほとんどがこれまでと同様に探すことが出来ました。)
NW3ヒノキを採用した理由
ラベンダーは日常的に好んでフレグランスとして使っている人が多い印象で芳香蒸留水の検証にご協力頂いた15名についても、日常的に使っている香りのアンケート結果 ≪ラベンダー2名、ヒノキ1名、ユーカリ1名、ローリエ0名≫でした。
一方、アドバイザーの藤田さんから、「ヒノキは『ジャパニーズヒノキ』という名前で、一つの独立した香りとして海外でも認知されている日本独自の香りであることや、日本のクラブオリジナルのにおいの採用があっても良いのでは?」という意見や、「蒸留水の入手しやすさが重要」とのアドバイスを頂きました。
ヒノキ芳香蒸留水の検証に先立ち、獣医師による安全性の確認とヒノキアレルギーの人の芳香蒸留水への反応に問題がないことを確認し、実際の検証結果から、ヒノキは初心者の犬からシニアの犬まで探すのに問題がないことが判明しました。
(但し、ヒノキの香りを日常使いしている犬のみヒノキのにおいに無反応であったことから、 ターゲット臭は日常的に使用しないのが良いという結果も得られました。)
※ノーズワークを行う上で「ターゲット臭」の取り扱いの際に守るべき事項がありますので、取り扱い方を学んでから購入することを推奨します。
また、以下のリンク先もご一読下さい。
ノーズワーク ・サーチエリアの「汚染」について注意すべきこと
https://inuiwaku.net/?p=27006
芳香蒸留水取扱メーカー
- ローリエ(ローレル)とユーカリグロブルス
『フロリハナ』https://www.florihana.co.jp/
『落合ハーブ園』 https://www.ochiaiherb.com
『アロマゾーン』 https://www.langebio.com/ - ヒノキ(2社のみ)
『六月八日』 http://rokugatsuyohkanomori.jp
『熊野の香り』 https://shop.m-affably.com
(学名Chamaecyparis obtusa、「ヒノキチオール」を含まない種類、部位は幹or木部、水蒸気蒸留法、他の香りや成分が混ざっていないもの。)
誘惑臭について
- NW2からは、正解以外の箱の中に誘惑臭が含まれています。
- ・テニスボール
- ・食べ物
- ・コング
- ・紅茶/コーヒー
- ・芳香蒸留水やアロマの香りを含む製品や石鹸
- ・ユーカリ、ローリエ、ヒノキのにおいを含む製品
- ・バーチ、クローブ、アニスを含む製品
- ・強力な化学物質(例:アセトン、ガソリン、ディーゼルなど)
以下の物は、故意に設置する誘惑臭として使用しません。
- ・クミン(スパイス)
- ・ココナッツオイル
- ・オリーブオイル
- ・挽いたコーヒー豆
実物をそのまま入れるのではなく、必ずフェルトや綿棒を使用すること。
液状のものを誘惑臭として使う時は、キャリアに1〜2滴垂らす(ターゲット臭と同じ量を垂らす)
固形状のものを誘惑臭として使う時は、事前に固形状のものと、フェルトと綿棒を缶に入れて、フェルトと綿棒ににおいを移す。
(そのにおいを移すのにどれくらいの間、缶に入れておくとは書いていない)
においが移ったものを、実際に誘惑臭として使用する。
綿棒を使うときは、においホルダーに入れる。
においホルダーはネガティブ(=未使用の状態)であること。
JNWSC公式ルールブック
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主催者マニュアル
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